上級卜レーニング

上級編というタイトルを見て。「人より先に、これを何とかしなきゃ!」と思つ
いた人は、ここまでの流れをもう一度読み直して下さい(笑)
人より一歩先を行きたい気持ちが強ければ強い程、がんばれることも間違いでは
一ないのですが、あまり度が過ぎると身の丈を超えて、オーバーフローしてしまいま
いすので、ご注意下さい。

 

ここに書くのは、子役の親になりたいあなたへの予備知識です。

 

ごく当たり前の事ですが、お芝居は、〈セリフ〉〈動き〉〈表情〉〈感情〉などが全
て一致して初めてお芝居の形になります。僕の経験した声優のお仕事の場合は、も
いちろん自分の動きも表情も出るわけではなく、映像が自分の声を補完して、また声
いが映像を補完して成り立つのですが、その分、特に声の躍動感や感情が必要になります。

 

表現の大小はあるけれど、声につける感情は普通のお芝居でも〈くせ者〉で、やはり専門的
なトレーニングが必要になってきます。
僕の場合は、そこまでに幾つものお芝居の経験があったから、自分なりにこんな声を出す
だろうとか、こんなしゃべり方をするだろうとか、たまたまそれまでの環境がうま具合に
重なって自分なりに工夫をする事ができました。

 

しかし、まだ経験の浅い子どもがお芝居の練習の中で、セリフや動き、表情それぞれの精度
を上げいようとすると、身振り手振りが大きすぎたり、抑揚もありすぎたり、棒読みのボリ
ュームが上がるだけだったり、そうなると結局、ダメ出し(お芝居の仕方への注意)
が多くなり、「それはダメ」であったり、「もうちょっと〜〜だね」であったりと、
いどうしても苦言が多くなってしまいます。

 

そうすると、特に小さな子どもの場合、のびのびできなくなる事が多くなります。
子どもらしい自由さが無くなってしまうと、仕事が楽しくなくなる→子どもらし
い良い表情が出ない→何回も撮り直す→現場がおかしな空気になる→子どもはとっ
ても辛い思いをする→撮影に行きたくない。という風にそこから先は、順番に考え
れば誰にだって分かると思います。

 

楽しめるなら、踊りでも歌でも、パントマイムでも、直接仕事に関係ない水泳で
いも剣道でも、とにかくやりたい事は、感性を広げるのにすごく役に立つから何でも
習えばいいと思います。

 

でも、お家で練習するお芝居は要注意。

 

どうしても仕事になると、親は〈プロ意識〉を持たせようとしがちだけど、子ど
もにとっては仕事の意味なんて分からなくて当たり前。強要することで、厳しい訓
一練になってしまわないようにしてあげて下さい。

 

愛する我が子の才能は信じたいものですが、過度な期待は子どもにとってプレッシャー。
それは、お芝居が楽しくなくなる原因になっちゃうし、我が子にトレーニングをするのは、
どんな専門家だって、愛情が邪魔して難しいものです。

 

「私は、学生時代お芝居の勉強をしたの」とか、「昔、役者をやっていたから、私は大丈夫」
って思っている人ほど注意して下さいね。
〈生兵法は怪我のもと〉、お芝居も、日々進化しているんですよね。
安心して見てられるのは、保育士や、幼稚園の先生の資格を持ちながら、演技派俳優の第一線で
活躍されているような人くらいかな。